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ランドクルーザー200(Land Cruiser V8)欧州2012モデル概要発表!・・・その2 [ディーゼル]

 今日は、欧州で2012年3月から販売が始まった、Land Cruiser V8 2012モデルのディーゼルエンジン:1VD-FTV(EURO5適合)について書きます。


 コモンレールについては、インジェクタにデンソー:DENSOのG3Piezo(G3P)を採用しています。
 2007年に1VD-FTVが新エンジンとして登場した際には、"KD系エンジンで世界展開の実績がある(*1)"という理由で、ソレノイドインジェクタを採用していました。
 ピエゾインジェクタもランドクルーザーに搭載するとトヨタが判断するだけの実績を積んだということですね。

 ちなみに、G3Pはデンソーが2008年から量産している最高噴射圧力:200MPaのピエゾインジェクタで、1行程で最高9回の噴射が可能です。最近では、CX-5ディーゼル:SKYACTIV-D 2.2にも搭載されています。


 プレスリリースではNV(Noise and Vibration:騒音・振動)対策に関して、減圧弁の改良に触れています。
 減圧弁はコモンレールに取り付ける燃料逃し弁であり、コモンレール圧力の追従性を高めるための装置です。

 エンジンの運転状態が、高負荷⇒一瞬の低負荷⇒高負荷と変化(一瞬の減速からの再加速)した場合には、実際のコモンレール圧が指令圧(理想的な圧力)より、短時間ですが高くなることがあります。
 この状態で燃料を噴射すると燃焼騒音が大きくなってしまうのですが、減圧弁を開くと一瞬でコモンレール圧を指令圧まで下げることができ、騒音の問題が解決できます。



 日本でのランドクルーザーディーゼルの発売について、個人的に考えてみました。
 日本の現行、ポスト新長期排気ガス規制とほぼ同等の規制値が欧州で課されるのは、2015年9月のEURO6開始を待たなければなりません。
 EURO6ではランクル200ディーゼル:1VD-FTVはNOx(窒素酸化物)後処理装置の追加搭載が必要になると思われます。
 トヨタが今回のモデルチェンジ同様、排気ガス規制に対し規制開始ギリギリ(もしくは開始後)の時期のモデルチェンジで対応するのであれば、2015年秋に、まず欧州でモデルチェンジし、日本導入は早くても2016年以降になるのでしょうか?

 トヨタはガソリンハイブリッド(HV)を中心とした電動化をCO2排出量削減の柱にすえており、欧州では2014年以降、1.6Lと2.0LディーゼルはBMWから供給を受けます。
 トヨタは現在、日米でディーゼル乗用車を販売していません。今後の、トヨタのディーゼル戦略がどうなるのか、とても興味があります。





参考資料
TOYOTA Motor Europe Corporate Site
http://ems.toyota-europe.com/Search/Pages/default.aspx?query=land%20cruiser%202012&dosearch=True#
(*1)自動車技術 2008年9月号
新4.5L V8 ディーゼルエンジンの開発


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