ランドクルーザー200(Land Cruiser 200)の各国エンジン仕様

　今日はランクル200の各国のエンジン仕様について書きます。

　日本では4.6Lガソリンエンジンのみで、ランクル200になってから設定の無いディーゼルエンジンを熱望している方も多いのではないかと思います。
　世界的には4.0L・4.6L・4.7L・5.7Lの4種類のガソリンエンジンと4.5Lディーゼルエンジンの設定があります。

　そこで、今回は自動車販売台数が多い国やランクルが売れそうな国を個人的に選んで、ランクル200のエンジン仕様をざっと調べてみました。

・4.5Lディーゼルとガソリンエンジン両方設定がある国
　サウジアラビア、バーレーン、オーストラリア、ロシア、南アフリカ

・4.5Lディーゼルエンジンのみの国
　インド、ニュージーランド、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン

・ガソリンエンジンのみの国
　日本、中国、UAE、アメリカ

・Land Cruiser 200を販売していない国
　タイ、インドネシア、韓国、カナダ、メキシコ、ブラジル

　その他、気づいたこととして、トランスミッションは6ATがほとんどなのですが、調べた中ではサウジアラビア、バーレーンに5MT仕様が存在する。
　ただし、6AT仕様(国によって650Nm,615Nmの2仕様あり)に比べて最大トルクが430Nmと小さい。


燃費について
　EU混合モードで4.7Lガソリンが14.4L/100km(6.94km/L),4.5Lディーゼルが10.2L/100km(9.80km/L)と4割くらいディーゼルのほうが良いです。
　日本のランクル200は4.6Lガソリンで6.7もしくは6.9km/L(JC08モード)、ハイオクガソリン仕様です。
　日本のランクル200ユーザーの方は燃料代を結構払っていますよね？


個人的な感想
　ランクル200を販売しているのは一定数以上の富裕層がいる国だと思われる。
　ディーゼル・ガソリン両方ある国はランクル200の販売台数が多いため仕様が充実していると思われる。
　ヨーロッパ・インドといったディーゼルシェアが高い国はディーゼルのみ。
　日米では現時点で排ガス規制が厳しいこともガソリンエンジンのみになっている原因のひとつだと思われる。


最後に
　ランクル200のような高級車に乗る方々もきっと燃料代が安くてクリーンで高性能なディーゼルエンジンを望んでいるはずです。
　難しいこととは思いますが、トヨタにも日本向けのディーゼルを開発してほしい。



4.5Lディーゼル:1VD-FTVのことなど、もう少しまた今度書きます。



関連記事
ディーゼル好きのブログ2012.1.9
http://1kd-ftv.blog.so-net.ne.jp/2012-01-09

コメント 6

トヨタ自動車が
環境技術開発の最新の取り組みと今後の展開計画を公表しました。
2012/09/24

ディーゼルに関しては、

乗用車用「1.4L-ND系ディーゼルエンジン」は、燃料噴射システムの高圧化、小型で高効率のターボチャージャーの採用などにより、低燃費と走行性能の両立を追求。さらに、新開発の排出ガスクリーン化技術の採用により、世界で最も厳しい排出ガス規制の一つである欧州「EURO6」に対応。
今後、搭載車両の開発を進め、2015年以降市場投入。 今後、搭載車両の開発を進め、2015年以降市場投入。

との記載がありました。


２０１５年以降にディーゼル車が市場に出る予定みたいですが、
この「1.4L-ND系ディーゼルエンジン」とやらは、ランクルにも乗せられるようなエンジンなのでしょうか？

１．４Ｌ、、、の記載から、何となく小さそうなのですが、、、

もし、ランクルのディーゼルが２０１５年以降に出れば、1KD-FTVさんの予想的中ですね。









by ランクル２００のディーゼルを切望する者です。 (2012-10-09 23:03) 

"ランクル２００のディーゼルを切望する者です。"さん、コメントありがとうございます。

今回の発表は"欧州向けに"「1.4L-ND系ディーゼルエンジン」を2015年以降も販売継続するということだと思われますが、残念ながら、このエンジンが、ランクル200に搭載されることはないでしょう。

1.4L-ND系ディーゼルエンジン:1ND-TVは、欧州でYaris(日本名:Vitz),Urban Cruiser(日本名:ist),Aurisなど小型車に搭載しているエンジンです。

ランクル200のような2t超の車両には、一般的に3L以上のディーゼルエンジンを搭載することが多いようです。
トヨタのディーゼルエンジンラインナップから考えると、ランクル200向けには、欧州などで現在搭載しているEURO5対応の1VD-FTV:4.5Lディーゼルを改良して、EURO6に対応してくるものと思われます。

昨年のBMWとの提携記者会見で、トヨタの内山田副社長は、"ディーゼルエンジンの自社開発は継続する"旨の発言をしており、今回発表した、"1.4L-ND系ディーゼルエンジンのEURO6対応"はディーゼル自社開発継続のうちの1機種ということですね。


日本でも、ランクルのディーゼル車を待ち望んでいる方が多いようですね。ディーゼル・ガソリンの車両価格差がどの程度かにもよりますが、ハイオクガソリンと軽油の価格差は日本では約30円であり、燃費もだいぶディーゼルの方がいいですからね。

最近のBMWの例では、EURO6(欧州次期排ガス規制)対応車は、ほぼそのままで日本のポスト新長期(現行排ガス規制)に適合できたようですから、トヨタもランクル200ディーゼル(1VD-FTV)の日本販売を、是非実現してほしいですね。


ところで、最近、国内でもディーゼル関連の話題が多くてうれしいのですが、ブログ記事の書込みが追いつきません...
トヨタが今回発表した、"環境技術開発の最新の取り組みと今後の展開計画"については、また今度、もう少し、別の記事で書きたいと思っています。


by 1KD-FTV (2012-10-11 09:07) 

わかりやすい説明をありがとうございます。

いつもブログは閲覧させて頂いていますが、当方はたんなるディーゼル車が好きなだけで、専門的なことはほとんどわかりませんので、実は1KD-FTVさんの専門的な解説の多くは理解できておりません。（申し訳ないです）
それでも、ディーゼルに関して真剣に書き込まれている熱意は充分に伝わってきておりますので、お気に入りのブログの一つです。

書き込みが追いつかないほどお忙しいようですが、くれぐれもご自愛くださいませ。

これからの更新も楽しみにしております。



by ランクル２００のディーゼルを切望する者です (2012-10-11 19:47) 

"ランクル２００のディーゼルを切望する者です"さん、心温まるコメントを頂きありがとうございます。
好きなことを、好きな時に書いているブログを、楽しみにしてくれている方がいるのは、本当にうれしいことです。

エンジンは複雑なシステムで、全体を理解するのは容易ではありません。
ディーゼルエンジンは気筒内に空気を吸入して圧縮したところに、燃料を噴射して自己着火させ、動力を取り出す機械ですが、気筒内の空気と燃料の混合や、燃焼の詳細な化学反応など、正確にはわからないことも多いようです。ただ、燃料の噴射タイミング・量と、出力や排気ガスとの関係といった、製品開発に必要な大まかなことはわかっているので、世の中で活躍しているわけです。

私のように自動車のメカニズムに興味がある人もいれば、外装の改造に凝る人がいたり、音にこだわる人がいたりと、色々な楽しみ方があるのが、自動車の面白いところですね。

by 1KD-FTV (2012-10-14 08:54) 

是非、日本でもクリーンディーゼル車もっと活躍してほしいです。
特にランクルにはディーゼルエンジンは必要不可欠だと思います。
トヨタさんハイブリッドもいいけれどクリーンディーゼル日本にも入れてください。最近ハイブリッド一辺倒としか見えないっすよ！！お願い（涙）
日本にも４．5ＬV8のツインターボディーゼル搭載車を入れるべきっスよ！！
by D-マニア (2013-07-08 01:04) 

"D-マニア"さん、コメントありがとうございます。

マツダCX-5の成功で、日本におけるディーゼル乗用車のイメージもだいぶ良くなってきたと思うのですが、残念ながら、トヨタが日本でディーゼル乗用車を発売するという話は聞かないですね。


米国トヨタのホームページのFAQ(よくある質問)に、ディーゼル車に関するものがありましたので紹介します。
　質問：米国トヨタが(アメリカで)ディーゼル車を販売する計画はありますか？　
　回答:米国トヨタが近い将来、(アメリカで)ディーゼル車を販売する計画はありません。ディーゼル車の販売を計画していない理由はたくさんあります。理由の一つは、国の排気ガス規制に適合するディーゼルエンジンの製造コストが高いことです。もう一つの理由は、ガソリンに対して軽油の価格が高くなってきていることです。しかしながら、米国トヨタはお客様がディーゼル車に興味を持っていることを承知しており、アメリカでのディーゼル車の販売について、引き続き検討していきます。


以上、あくまでも、アメリカ国内を対象とする回答ですが、アメリカも日本と同様にディーゼル乗用車があまり普及していない国なので、日本でトヨタにディーゼル車を販売してほしいと思っている方にとって、少しでも参考になればと思い、紹介しました。

アメリカではガソリンより軽油の価格が高いという、ディーゼル車に不利な状況があるものの、BMW、メルセデスベンツ、VW、アウディなどの欧州メーカーがディーゼル乗用車を数年前から販売しており、普及のきざしが見えてきた状況です。


現在、欧州より排気ガス規制が厳しい日米でランドクルーザーを販売するには、欧州仕様にNOx後処理装置等の追加が必要になるものと思われます。
個人的には、欧州と日本の排気ガス規制値がほぼ同じになる、2015年秋以降に何か動きがあることを期待しています。

ランドクルーザーのような大型車には力強くて燃費がいいディーゼルエンジンがよく似合うと思うのですけどね…



参考資料
Toyota Motor Sales, U.S.A 米国トヨタ自動車販売 FAQs
http://www.toyota.com/support/#!/app/answers/detail/a_id/7807

by 1KD-FTV (2013-07-25 23:50)